17日にはるばる大阪までの旅をしてきた小笠原島レモンはなぜ、最大620gもの大きさになるのか。
昨日の日記帳の写真を見た方は大変驚かれたと思います。
昨年7月に母島を訪問したとき、一番大きい果実を2個頂いてまいりましたが、それぞれ260gほどでした。6ヶ月で約2倍超にまで成長したことになります。
この小笠原島レモンは、通常8月末ころから収穫を始め、10月の中ころには終了する青果実で、鮮やかな深緑色のレモン果実であるがゆえに珍重されております。
青果実のこの時期、既に完熟状態になっているようですが、小生はあえて生産者である滝澤農園にお願いして樹なり完熟の状態で年越しをさせ、黄色果実の完全な完熟状態になるまで栽培して頂いております。
完全に完熟し黄色の果実になりますと、果実の中身がパンパンに張ってきて、少し衝撃を与えるとパチッと皮が裂けて実がはじけてしまいます。
この様に実が熟れてきますと皮の苦味がかなり消え、果肉にも糖度が増してきますので皮ごと無理なく食べられるようになるのです。
もちろん、天然クエン酸による酸度は全く落ちることなく、酸っぱいことに変わりはありませんが、樹にならしたまま熟させることにより糖度が増してきて、ほどよく調和されてマイルドな酸味に変化するわけです。
小生はこの小笠原島レモンを薄くスライスして、2~3日蜂蜜浸けにしたものを皮ごと食べます。
実は、意外や意外にも?晩酌をしているときにバリバリ、ボリボリ、タッパ一個分全部食べてしまったのです!
甘いのに「お酒に合う」ことが不思議だと思われますが、蜂蜜の甘さと小笠原島レモンの酸味が融合し、しかも蜂蜜により抽出されたレモンのエキスが絶妙に絡み合い、何とも表現しにくい、旨さ!が醸し出されたわけです。
「味」の創出は、結局、自然のチカラの前には無力となることを知らされました。
「追記」
小笠原島レモンは台風などの塩害により、全ての葉を枯らして落としてしまうと、たちまち葉のない樹に花を咲かせ、実をならせるのだそうです。
小笠原島レモンは、厳しい自然の中で生き抜くための強さを身につけていたのですね…
その自然の脅威に対抗するために果実を大きくし、レモンの酸味をマイルドにしたとすると、自然のチカラの凄さに平伏するしかありません…