初めての試みでしたが、やってみました。
弊社のたで酢が縁で、「近海高級魚に合うポン酢を共同開発して貰えないか」との東京築地市場の老舗仲卸「尾辰商店」様からのご依頼です。
「尾辰商店」といえば、関サバ、関アジなど、近海高級魚を扱う東京築地市場の老舗仲卸としても知名度が高く、なにせ、「創業が明治元年、尾張の辰五郎さんが始めた…」となると築地市場の前身、日本橋魚河岸、その前の徳川幕府時代に…など、築地市場の発祥から検証しないと分からないほどの老舗中の老舗でもあり、つい最近「築地の老舗仲卸がデパ地下に初めて進出。」とのことでも話題になり、つとに知れ渡っている元気一杯、注目の仲卸様でもあります。
内容は「お客様に提供する近海鮮魚を最も美味しい状態で食べて頂けるポン酢を共同で開発したい。近海鮮魚に見劣りしない凛とした品格を持ったポン酢。」という難しいものでした。
食べ物の味覚と好き嫌いは十人十色です。味の上と下を合わせて塩梅をよくするなんてことはまったくもって至難の業といえるものです。
しかも近海の高級鮮魚となれば、素材自体が秀でているため、もしかしたら素材本体の味をじゃまする恐れもあります。
むしろ、味のない魚を引き立てる脇役としての役割の方がたやすいことと思ったりしましたが…
結局、あれこれ検討した結果、12とおりの試作品を造ることとなりました。
いずれも甲乙つけがたい良いものができあがりましたが、尾辰商店から送られてきたタラやブリ、アンコウなどの近海鮮魚で、いざ、実際に試食してみますと、それぞれの味に微妙な違いがあり、しかも関西と関東とでは味に対する評価の決定的な違いが出たりもしました。
地域によって評価の異なる「味」とは、誠に不思議なものと感心したり納得したりしております。