れっきとした国産レモンの赤ちゃんです。
昨年頂いた時に見た形からリスボン系と思われます
酸味が強く香りがよいことで知られていますが、多くはリスボン系の卵形をした種類で近年国内でも栽培されるようになってきており、特に瀬戸内方面で多く栽培されています。
写真のレモンは自家消費用の大根を作っている畑の隅に植えてあり、もちろん農薬などは一切使用しませんので葉は虫に食べられたりしています。
昨年買い物袋に一杯頂きましたが、今年は昨年ほどの期待ができるでしようか。
さて、先週のことですが「ぽん酢を作りたいが、生ぽん酢のことについて教えてもらいたい。」と一般の方から電話がありました。
ぽん酢に関心を持って頂くことは大変ありがたいことでしたので質問にお答え致しましたが、このような方が多くおられるとぽん酢のなんたるかについて関心を持って頂けていることになりますので製造者の立場からはぽん酢について詳細な説明ができますので大変喜んでおります。
「ぽん酢」は市販されている味付けぽん酢のことを指していると理解している方が多いと思いますが、ポンズの語源とされているオランダ語の「ポンス=果汁=酢」からすると、導入された時代背景(江戸時代初期) からダイダイ果汁(酸味の強い果汁=酢の代用品) や醸造酢のいずれかを原料(ベース) とした調味料がルーツで、後に酒や砂糖、食塩、醤油などが庶民の間に浸透するにつれ、これらを加えて味を調整した調味料が味付けポン酢となっていったものであると思われます。
従いまして、現在のポン酢は「醸造酢のみ」「果汁のみ」「醸造酢と果汁を合わせたもの」などをベース(この部分を生ポン酢として区別しています。) にして、これらにダシやみりん、酒、醤油などを加えたものが主流となっております。
現在関西圏においてぽん酢原料の主流となっているゆずやすだち果汁は明らかに後発組で、中でも京都が今でもダイダイを多く使用している理由としては、山口県のふぐ料理と明治維新との密接なつながりがあったのではないかと推理しています。
酸味の強い果汁が酢の代用として使用されてきた実例は今でも徳島県に残っており、スシ飯やお吸い物はゆこう果汁を使用しており、果汁をかけた野菜を揉んで野菜サラダの逸品を手早く作っております。
また、これからの季節に欠かせない冷やしそうめんや冷麺などの付け汁に酸味の強い果汁をほんの少しかけるだけで香りと酸味の効いた逸品となりますので、是非お試し下さい。
多くのポン酢はダシの種類によって味が左右されやすくなってきており、特に少量のエキス類によってインパクトのある味を作っている商品が多く見受けられます。
またこれらの商品は「美味い!美味しい!」の原点を糖度に依存し、甘みの強いものを「美味い!」と表現されがちにもなっています。
この捉え方は少々偏ったものと考えておりますが、本来のうま味と言う味覚を甘みと言う味覚で代用して表現してしまっている現状では、甘みの少ない商品は「まずい!」表現の商品として選択されがちとなってしまっておりますが、味覚の問題は商品開発に関して大変難しい判断を迫られる問題ともなってきております。
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