ぽん酢のシーズンまっただ中です。
ぽん酢、ポン酢、ポンズ、ぽんずと、名称も多岐に及んでいます。
小生が作って販売しているものは「ぽんず」と平仮名でかかれているものが多くあります。
はっきりとした理由はわかりませんが、昭和32年の創業時に他社との競合に対する明確な区別を目指したものと思います。
「手作りぽん酢」はデジタル時代にそぐわないアナログ感が強く漂う取り残されたような存在ですが、そこには「手作り」だけにしかできない良さがあります。
製造規模では到底かなわなくても絶対に負けないものは心を込めて作る心意気で、できあがるものは汎用性のものとは明らかに違うオリジナル性豊かなもので、少量製造という独自の手作りぽん酢になります。
先日、大変興味深い出来事がありました。
小生のところではOEMの委託製造も引き受けておりますが、アッパー向けの料理を提供するレストランとの間でオリジナルぽん酢委託製造の話が持ち上がりました。
料理長は妥協を許さない、いわゆる「うるさ型」+「がんこ」とのことで、果たして料理長のお気に召すぽん酢が出来るだろうかと心配でした。
多くの場合、始めに5~6種類の試作品を作り数回改善・修正するなどして最終的な味を固めていくのですが、今回の場合結果的には10種類もの試作品を手がけることとなりました。
それぞれオリジナル性を高めたもので、単独でも通用する仕様で拵えていますので没にしてしまうのが惜しいものも含まれています。
試作品を持ち込んだ結果は、
「すぐに製造してもらいたい。」
気に入ってもらったのだと思います。
でも「少し待ってもらえますか。」
結果的にはこんなやりとりになってしまいました。
当方にも若干の準備が必要で、今すぐには出来ないのです。
時間がかかるのは手作りの弱点でもあります。
しかし、ココを崩すとどこのものとも一緒になってしまうので、当方としてもココにこだわりたいのです。
こだわることは悪いことではないのですが、提案する商品には絶対の自信を持ってお勧めしたいので心を込めて説明を行い理解して頂くことが肝要だと思います。