45年の時間が一瞬にして氷解できるのか…それとも…
ぶどう園の中から温泉が湧出したことで有名な石和温泉郷の某ホテル玄関におそるおそる入ったとたん
てるひさ!
ホテル中に響く驚きの大きな声で呼び止められました。
しかしにこやかな顔で近づいてくるその声の主は残念ながら誰だか思い出せません。
俺だよ!○○だよ!おめーはすぐ分かったよ!
そうなんです。ここは山梨、甲州弁の本場!
奥の受付に座っている4~5名の同級生が次々に
「オメー俺が分かるか」
誰だか全く分からない…
○○だよ…
そうか、どうりで男前だと思ったけのだけど、確か小生より体格がよかったはずだったが…
そうだったのか、体格の方は45年のどこかの時点にいつの間にか抜いていたのか…
ひとしきり45年前の同級生の名前と目の前の顔とを一致させることで名札をチラチラ、頭の中は早くもパンク状態!
同級生のことは何でも知っている竹馬の友はまだ姿を見せないし…
困った困った、非常に困った!
「オー!てるひさ何をやってるだアー」
何をやってるだーッて、お前こそこんなに遅くなって、おかげで…
相変わらず小太りの身体を揺すりながらようやく竹馬の友が姿を現せてくれました。
それにしても、前より少し頭部の後退が進んでいませんか?
色つやもよく前頭部がテカテカになっています…
さアー 全員が名札を付けての同窓会…
緞帳が上がりました。
ここでちょっと一休みして「同窓会」の意義を考えてみました。
いろいろな場面でいろいろな思いが交錯しているのが同窓会だと思います。
人と人とのつながりは、生まれたときから始まり、年を重ねるごとにその思いも変化してくるものと確信しています。
最も早く人と接する遊ぶ時期から学舎で一緒になって行動するのを加え集約された時期が小学生と中学生までですので、兄弟との絆とを比して考えてみると全く別の感情が生まれていても不思議ではありません。
兄弟の関係とは比しても異なるものが同窓生であることが45年もの時間を一瞬で縮めてくれたことで今回明確に実証されました。
還暦を迎えた今、人生にとって最も大切なもの、それはこれまでの思い出とこれからの人生です。
これらの全てを内包し兄弟の絆をさえはるかに越える大切なもの、それが同窓生であることが身にしみて分かりました。
兄弟の絆よりも大切なものがあるとは考えても見ませんでしたが、それでも60歳にして知ることが出来たのは大変幸せなことです。
幹事の多大なご苦労の上に実現できた45年ぶりの同窓会。
この様な同窓生が大勢、しかも健在でいることが小生にとっては大切な宝であり大きな誇りです。
19,11,12 笛吹川フルーツ公園より甲斐盆地と富士を望む
19,11,12 フルーツ公園から富士を望む③_320.JPG