HPリニューアルを実施中ですが、この際、ぽん酢がもたらす役割についてもう一度考え直してみたいと思います。
ぽん酢、ポン酢、ぽんず、ポンズ…
などなど、いろいろな呼び方がありますネ
業務筋では、ぽん酢の材料となる2種類以上の果汁を混合させたものを「合わせ」と呼んでいるところもあり、この場合は種類の違う果汁を混ぜる(合わせる)ところから来ているものと考えられます。
なぜ、わざわざ異なる果汁を合わせる必要があるのか?
という疑問に応えるには、少々専門的なうんちくが必要になります。
例えば、すだちは爽やかな香りと切れ味鋭い酸味が特徴で、柑橘のトップバッターとして9月から収穫期に入ります。
10月はゆこうの収穫期で、徳島県上勝町の特産として、こちらはマイルドな酸味が特徴で、香りは余り強くありません。
11月から12月にかけてはゆずの出番で、耐寒性にも優れているので寒冷地でも栽培しやすく、国内の広範囲にかけて各地域で栽培されていることから、最も身近な柑橘として知られております。
ゆずは独特の強い香りと苦みや渋みを持っているため、そのまま料理に使用すると食材の本来の味や匂いを消してしまう不具合が生じてしまいます。
このため、他の果汁と合わせてほどよい状態にして使用するようになったのも、ごく自然ななりゆきではなかったかと考えております。
つまり、柑橘は味・香り・酸味等については皆違う特性を持っているため、これらを合わせて適度な酸味や香りを創出させ、オリジナルの味を作りたいと考えても不思議ではありません。
ですから、2種類の果汁を混ぜても3種類の果汁を混ぜても同様に「合わせ」と呼びますので、それぞれ合わせる分量によっては幾通りもの「合わせ」ができあがることになりますので、ぽん酢を提供する飲食店によってはオンリーワンの特徴を持たせるという創作の世界が広がります。
これらはいわゆるプロと呼ばれる職人の領域です。
言わずもがな、これがポンズの真骨頂ではないかと思います。
そして、ここに合わせの技術たる所以があります。
加えて、およそぽん酢には独自の味つくりのために隠し味なるものを施します。
その例に沿い、噛めば噛むほど味がでるホタテの干し貝柱を使ってみましたが、特段他のものと差別化できるほどのインパクトは得られませんでした。
隠し味も意外と難しいものであることを知らされました。
聞いた話では、適当に切ったレモンを放り込んで味の調整として使用しているところもあるようです。
いろいろと工夫を凝らしてオリジナルの味付けをするのがぽん酢ですので、是非とも欲しい!と言われるようなぽん酢作りを目指して日々研鑽しているところです。
コメントを残す