氷雨?になりきれない、春を呼びこむ雨となっております。
梅一輪一雨ごとの…
随分昔に親しんだ?俳句のような記憶がありますが、さて、一体どなたの作品だったでしょうか。
何はさておき、この時期に降る雨は確実に春を呼びこんでおります。
通勤途上のそこかしこにみる風景も、何となく色づいてきたような気が致します。
そういえば、昨日は自転車に乗って通るいつもの場所で、フッと春の匂いを感じたものでした。
しばし、周りを見回してもそれらしき花が咲いている様子は見られませんでしたが、匂いを運んでくる様は、春がもうそこまで来ているものと思うと、子供のように素直に嬉しくなってしまいました。
この時期になると思い出されるのは中学生まで育った久那土の山々です。
実家の前の川を渡った先の山に畑があり、「ムカァー」と母親が呼んでいましたので、子供心にそのままの発音で呼んでいたことを覚えております。
いまになって思うと「向かいの畑」の意味を略して呼んでいたものと思います。
その畑の裏側にもう一枚の畑がありましたが、日だまりとなっている場所ではイカリソウが落ち葉を押しのけて可愛らしい顔を覗かせているころだと思います。
タンポポやフキノトウは最も早く顔を覗かせる野草だと思いがちですが、小生の記憶では久那土の「ムカァー」に限ってはイカリソウがトップバッターではなかったかと思います。
三沢川の水が温むと、魚も活動を始め、冬の間は一体どこに隠れていたのかと思われるような活発に動き回る魚影もたくさん見られるようになります。
もう少しすると、魚体を赤く染めたウグイの群れも見られることでしょう。
浅瀬に小石を敷き詰めた産卵の場所を作ってやると、メスを追いかけての群れの移動はすさまじいもので、ざわめきの固まりが押しかけては引き、引いては押しかけての光景は子供心にワクワクする自然の営みであり、飽きもせずに眺めていたことが思い出されます。
… 降る雨に ムカァーと呼んで 春想う …
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