朝夕めっきりと、とようやくいえるまでになりました。
今年の夏は、夏らしくない夏に終わってしまいましたが、程なく見るもの聞くもの全てに旺盛な食欲を感じさせる季節が待ち受けていますので、これはこれで良し!としなければいけませんですネ
そういえば、街中のスーパーには早くからサツマイモやリンゴなどが並び、現在は松茸やすだち果実にその場所を明け渡しています。
展示されている農産物はまもなく訪れる季節を先取りして、見る人をして新鮮で高揚感溢れる気分にさせてもくれていますが、先取りがあまりにも定着しすぎているために期待感を損ねている側面もまたあるように思います。
ともあれ!
ポン酢の季節がやって参りました。
この季節到来に先立って、ポン酢の味を知るのに是非とも覚えておいて頂きたいことは「湯豆腐」の存在です。
豆腐はそのまま食べても味気がほとんど感じられません。
この味気の少ない豆腐を湯豆腐にしてポン酢で食べてみて、美味しいと感じられるポン酢は他のものを食べても美味しいし、余り気が進まなければ他のものを食べてもそうなると思います。
豆腐そのものの香りと味を残しながら美味しく頂けるポン酢こそが美味しいポン酢といえるものであり、その意味でも豆腐はポン酢の味を評価する物差しとして是非とも活用して頂きたいと思います。
近年の傾向として、鍋物の中身が多様化してきており、その流れに沿ってポン酢の味付けもかなり濃いめになってきております。
むしろ、鍋そのものに味付けをする食べ方も増えてきております。
いろいろな食べ方によって鍋を楽しまれる事はむしろ歓迎すべき事ですが、やはりお湯に昆布だけの鍋に具を入れてポン酢で食べる食べ方が和食鍋のルーツであることを忘れないようにして大切にしていきたいとも思っております。
何はともあれ!
ポン酢の季節到来です!
いろいろな趣向を凝らして、今夜もポン酢で様々な料理をお楽しみ頂きたいと思います。