梅雨時の風物詩でもある紫陽花が梅雨に濡れてとてもきれいです。
この花は、雨に濡れると不思議ときれいに見えますが、晴れた日には全くその風情が消えてしまい、活力がありません。
花にもいろいろな特徴があるものと感心させられます。
人は、物を見たり匂いを嗅いだりして感性を磨き、蓄積された記憶を呼び戻してその時々に感情を現します。
特に、花を見て蓄積された記憶は、その花が咲いたら必ず記憶が呼び起こされる、という強烈な印象を植え付けてくれるのが花だと思います。
車窓から見る蛍袋がとても懐かしくて、しばらく見とれておりました。
それも、かなりの区間において咲いておりました。
たぶん、一生忘れられない情景となり、蛍袋を見るとこの日を思い出すに違いありません。
蛍袋は何の変哲もないピンク色をした花です。
花は全部下を向いて咲いています。
紫陽花と違い、華やかさはありません。
だから、きっと、蛍袋が咲いたとき…
来年、再来年、いや、もっと先になっても蛍袋が咲いたとき、きっとこの日を思い出すことでしょう。
梅雨…
雨に濡れた紫陽花…
蛍袋…
涙雨……
梅雨が明けたら、青い空が帰ってきたら…
時はむなしく過ぎていくばかりです…
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