本日お客様から質問がありました。弊社の製品「ゆず」は100%か、との質問です。
100パーセントの意味は
(1) ゆず果実を搾ったままのもので、渋みや苦味の除去、日持ち向上等の加工を全く施していないゆず果汁。
(2) 搾り方は機械搾りと手搾りがあるが、どちらかは問わない。
およそこの様に解釈しております。
従いまして、中には日持ち向上のため少量の「塩」を添加した商品がありますが、厳密にはこれについても100%とは申せないと考えます。
また、柑橘果汁ですので、搾ってそのままにしておくと発酵してやがてはお酢になりますが、その発酵を停めるための日持ち向上を施したものも同様と考えます。
柑橘果実を搾った経験のある方は柑橘の皮には大変苦味と渋みがあることをご存知だと思いますが、市場に出回る品物は機械搾りがほとんどですので、皮と種も一緒につぶしてしまいかなり渋みと苦味があります。それが自然の形、といってしまえばそれまでですが、調理においてはその苦味と渋みをいかにして除去し、柑橘果汁本来の味を引き出して最高の料理を作るかにほとんどの料理職人様は苦心しております。
早い話が手搾りにおいてはこれらの障害は最初から除去されるのですが、これにも問題がないわけではありません。製造される量に限りがあり、市場に出回らないない上に価格がかなりなものになってしまうことです。
そこに弊社の「ゆず」と(1)の加工していないゆず果汁との大きな違いがあります。
理由としましては、機械搾りの渋みと苦味を緩和させ、限りなく手搾りの味に近づける工夫を凝らし50年もの長きにわたる製造と販売実績に裏打ちされた伝統が技術の粋の集積となり、調理の障害となる苦味と渋みが緩和された製品となり、これらが今日に至るまで多くの料理職人様にご贔屓を頂いている所以です。
従いまして、弊社の「ゆず」は加工してありますので「100%」ではなく「生仕様」と明言しております。
50年前に創業し、京都老舗の料亭と味の問答を繰り返して現在の「大徳の味」を築き上げた初代中橋徳三のご苦労が忍ばれる「料亭の味」と「100%」の問答でした。