「近海高級魚に合うポン酢を造ってくれませんか。」と言うことで築地老舗仲卸尾辰商店と共同開発していたポン酢は「築地の魚河岸が選んだポン酢」という事で、明治元年尾辰商店創業者に敬意を表し「辰五郎ぽんず」と命名致しました。
この企画は、弊社創業者のご苦労にも思いを馳せ、他よりうまいポン酢を造ろうとしていた往時にしばし浸る事ができたもので、小生にとっても大変思い入れの深いものがありました。
創業者は当時先行販売していた他社のポン酢に対抗して製造方法が全く正反対のポン酢を造ろうと、大阪に初めて出現した大規模団地千里ニュータウンの居住者500人からアンケートを取り、新しいポン酢造りにチャレンジしようとしていたもので、その痕跡となるアンケート実施記録が残っております。
アンケートに基づいて造られたポン酢は大変品質の高いもので、実際に東京の青山において高額で販売されていたことまでは知っておりましたが、当時と全く同じものが現在残っておりませんので検証ができないのが誠に残念です。
今回のポン酢造りは、いわば創業者が目指していた他に類のないポン酢を造りたいという当時の創業者の情熱に思いをダブらせながら造らせて頂いたようなものです。
ですから、この様な機会を与えてくださった築地老舗仲卸尾辰商店様には大変感謝しております。
「良い素材で造ったものは良いものになる。」今回のチャレンジの結末は、大変シンプルなことでしたが、これが答えでした。