本日は二十四節気の一つ、啓蟄。
春がもうそこまで来ています。
不思議なものですネ
木々は葉を落とし、また虫たちは地中に潜り、人は重ね着をしてじっとこの時を待っていました。
前は冬、季節が移ろいますと、まず連れてきてくれるのが生気溢れる春です。
地中深く潜って辛抱強くじっと春を待ちわびていた虫やアリも、やっと訪れた暖かさに誘われて地上に出てくるときを啓蟄というとか…
一年を四つに区切り、それをさらに二十四に区切って、それぞれ地域の気候や風土に合わせ、或いは農耕を初めとした日々の生活の始まりや中間の手入れ、そして収穫などへの水先案内をしてくれるのが二十四節気の役割。
先人の知恵にはいつも敬服することばかりです。
三寒四温などの言葉が使われるのもこのごろですが、今日は寒の戻りでいつもより寒く感じましたが、どうもこの体感温度は交互に来る寒さと暖かさに「慣れ」ていないため、よけいに寒さを感ずるものらしいですヨ
こんなことも、春がすぐそこに来ている証ですね。
でも、冬から春に季節が移ると、とたんに忙しくなってくるのが小生の仕事の特徴です。
その主たる要因を作っているのが初夏から盛夏・晩秋にかけて食卓に上る鮎を食べるときに使われる「たで酢」を製造していることにあります。
清流の女王「鮎」は、春から初夏にかけて上流を目指して一斉に川を上ってきます。
目的は「種」の保存のための産卵です。
子孫を絶えさせないために生まれた川を目指して上ってきます。
海から川を上り始めた子鮎は、上流に向かいながら若鮎から成魚に育ち、産卵をして一生を終える一年魚です。
この鮎を美味しく食べる手伝いをしている調味料が「たで酢」です。
この「たで酢」はタデの葉を原料としているところから、緑色をしておりますが、小生は就任してまもなく、着色料のことが気になり、添加物である着色料についていろいろと勉強したり有識者の助言をいただいたりのにわか勉強を致しました。
このことにより、「天然の緑色を保持する。」という最も関心の高かった問題点の解決方法が現在の技術においても無理があるということが分かってきました。
それはそうですよねー
緑の草花を摘んで見て下さい、放っておけばいわゆる枯れ草となり、花瓶に活けておいても何日持つでしょうか。
そんな中で、小生のたで酢は賞味期限が1年ですので、気の遠くなるような時間を緑色で保持しなければなりません。
ましてや、PH2,4の酸性化の中で、またスーパーなどで販売されている場合などは長い時間蛍光灯の下で放置された状態で過ごさなければなりません。
でも、何でもチャレンジしてみるものですねー
苦節○年!
天然由来の着色料を用いての試作が成功致しました。
残念ながら全部の着色料を天然着色料に変えたわけではありませんので、完璧を求めるにはもう少し実験は必要ですが、取り敢えず初期の目的を達成できたことになります。
次は…その次は…そしてもっと先のその次は…
人が歩いたあとの轍を歩かずに、新たに道を切り拓くフロンティア精神を発揮していきたいと考えております。