ガシャガシャ!
ミーンミーンとか、カナカナ…とか、日本の夏の風物詩とはほど遠い印象を受ける都会の蝉の鳴き声は、ただうるさく聞こえます。
一夏の命を終えむなしく道ばたに転がる数が増えてきたことで、ストレスがたまる蝉の声もここにきて心なしか少なくなってきたように感じられます。
でも、まだまだ猛暑と寝苦しい夜が続いています。
寝れなくて悶々とした時間を過ごしているとどこからともなくガシャガシャ!
程なく、一斉にガシャガシャ!
もう、何がなんだかわからないくらい、全く統一性のない、ただうるさいだけの蝉の声です。
こうなると、もう何でもいいから早く夏が過ぎてくれればいい、そう願うだけの暑い日はまだしばらくは続きそうです。
ですが…
ここにきて待望の涼風が感じられます。
そうです!
少し空気が澄んできたみたい!
朝方ほんの少しの間でしたが赤トンボの乱舞が見られました。
季節は早くも秋への準備をしているのでしょうか…
夏の調味料たで酢一色だった小生の仕事も、これからボチボチと秋冬向けのぽん酢にとってかわる準備の時期に入ってきました。
記録的な猛暑でどうしょうもなく暑かった夏も、忙しくて自分の時間がとれなかった夏も、涼風や赤トンボの群れと共に何事もなかったように、ただ過ぎ去っていくような気が致します。
それでいいのかな?
と、思いとどまって見ようとしても、所詮はポン酢屋の戯言…
もう少しで憎き猛暑の夏、ガシャガシャの夏ともお別れです。
そう思うと、なんだか急に愛着を覚え、この夏でしか体験できないことをもう少し何とかできないかなァー、なんて身勝手に考えているところです。
残暑が長引くと秋に入るのが遅れるそうですが、それでもいきなり冬!なんてことにはならないと思いますが、このところ季節の移り変わりがかなり不規則になってきているのを感じ取ることができます。
さて、この猛暑は特定の業種に好景気をもたらし、円高も還元セールなどで消費市場は一部で活況を呈しております。
「今時、土日が休めるところはいいネー」
昨日、本音とも嫌みともとられがちな言葉を耳に入れました。
8年前「寄らば大樹の陰」的な生活保証がなされた月給取りの世界から、自営という不安定な商売の世界に転身し、そこで現実の厳しさを知らされ「一般経済状況が強く影響を及ぼす日常生活」の中で、日々普通の出来事に常に大きな影響を及ぼす「経済」というしくみが誠に複雑になっていることを否が応でも知ることとなりました。
「寄らば大樹の陰」の大樹任せの生き方のなんと楽なことか、そして今までの世界がなんといい加減であったかを日々知らされる毎日でもあるのです。
「毎日がいつもギリギリ!
例え一本でも配達するのが当たり前!」
そんな声がいつものように聞こえます。
したくはない?のではなく、そのようにせざるを得ない現状の経済状況を憂えながら猛暑の夏は過ぎようとしています。